御園の里の田園徒然草

親から引継いだ小規模な田畑を耕作し、米と野菜をほぼ自給自足している中山間地域の住人です。 無理をしない田舎暮らしの様子を書き記しています。

梨の花

梨の花を見たことはあまりないと思いますが桜と同時期に咲きます。同じバラ科に属するためか桜と同じ様に花を一斉に咲かせます。
昔は我家を含め多くの農家が梨を栽培していました。しかし栽培が大変で今では僅かの農家が栽培を続けるのみです。 
梨は枝が伸びやすく毎冬多くの枝を剪定しなければなりません。花が咲き実を付けた後は身を大きくする為に摘果が必要です。摘果した後は実を守るために実に袋を被せます。梨は病気(赤星病・黒星病等)を発生しやすく、袋掛けした後に頻繁に農薬を散布しなければなりません。母は「一月に4回農薬散布する」と言っていました。実が大きくなれば蝶が実の汁を吸いカラスが実をつつきます。無論これらの実は売り物にはなりません。形の悪い実も同様です。多くの手間を掛け出荷にたどり着きますが、出荷期間は一月余り。採算が悪く他の作物に切替えられました。
梨の花を見て親が栽培していた頃の苦労を思い出しました。